02. GRADIUS(グラディウス)
コナミ・ゲーム・ミュージックVol.1 (1986年)
ゲーム発売元:コナミ株式会社 / LP&TAPE発売元:アルファレコード株式会社
MEMO:2001年にGAME SOUND LEGENDシリーズとして復刻
復刻版発売元:ソニー・ミュージック・レコード(SCITRONレーベル)
収録内容:グラディウスの他、「ツインビー」「プーヤン」「イーアールカンフー」等も収録。
Review
 まず「グラディウス」と聞いて知らない人はゲーマーではないと断言しておこう。
グラディウスとは1985年にゲームセンター界に颯爽とデビューした横スクロールのシューティングゲームの名である。
このゲームが熱狂的な支持を受けて次々とシリーズ化されるようになり、またシューティングマニアの期待を裏切ることなく何故今日まで語り継がれているのか?
…それは「洗練されたゲームシステムと音楽にある!」と私は言いたい。
プレイされた方はお解かりだと思いますが、あのパワーカプセルを奪取して自分の好きな装備を選択してパワーアップしていく、もしくはパワーアップを変更するというシューティングゲームはそれ以前にはありませんでしたし、そのパワーアップによって難易度が変化するというシステムもなかったのです。
それを可能にしたシステムの名が「BUBBLE-SYSTEM(バブルシステム)」。
コナミの伝説的なマザーボードです。
高度な音楽とグラフィックスを誇ったバブルシステムの第2作として発売されたのがグラディウスだったのですね(ちなみに第1作はツインビー)。
このバブルシステムは電源を投入してから正常に作動するまで、しばらくウォームアップを必要としました。
その間にゲームのモニター上では「99、98、97…」とカウントダウンされていくんですが、その時に流れていたのが「バブルシステムウォームアップミュージック」。
まるでバロック音楽を思わせるような崇高で流麗なメロディはまさに芸術そのもの。この曲を聴きたさにゲーセン開店前から並びが出たという現象もうなずけます。
…あ、この曲は私もコピーして作った事がありますよ(苦笑)。
余談ですがバブルシステムは熱に非常に弱かったらしく夏場はよくバグってたらしいですね。
マザー自体は見た事ないですが、なんとなく発熱量ありそうだし(当時の筐体で高度なマザーボードだと冷却が間に合わないハズという理論により)。
…そう、どんなものにも欠点のひとつやふたつくらいはあるものです(微笑)。

なんて詳しそうに書いていますが、私が一番最初にプレイしたのはFC(ファミリーコンピュータ)版のグラディウス。
「…とにかく打つべし!打つべし!」
なんて事を言われながら現れる敵にとにかくバルカン砲を打ち込み、突然の火山噴火に見事にやられ、ビックコアにあっさり押しつぶされたりしてましたが、そりゃあもう夢中になって遊んだものです。
あ、3面のモアイを20体くらい倒すと4面にワープする裏技(たしかそんなカンジじゃなかった?)がFC版だけにしかないなんて知らなかった、ああ少年時代。
そして次に出会ったのはMSX版グラディウス。
「お、オブションって2つが最高じゃなかったの?!」
…なんて言いながら、初めて遊びに行った友人のI氏宅にてプレイさせてもらいました。
私がパソコンのキーボードを触れたのはこれが最初でしたね。…ちなみに中学1年生。
ファミコン版じゃ「上上下下左右左右BA」なんて最強コマンドがありましたが、MSX版では面ごとに違ったパスワードがあって、ポーズをかけて入力するんですよね。
たしか1面は「HANAKO」だったりしたような(苦笑)。
とにかくゲームパッドを借りても、あっけなくゲームオーバーになる私。
「一番良く聞いた曲は?」
…なんて聞かれると1面の曲という事になってきますよね(ようやく本題に?!)。

あの小憎らしいほどPOPなサウンドはどうやって生まれたんだろう?
…何だか侵略者を倒しにいくんじゃなくてピクニックにでも出かけるみたいな音楽。
そして、この曲を含め全ての作曲されたのが東野美紀氏(通称:MIKI-CHANG)。
「コナミ矩形波倶楽部」というサウンドチームなかの某女史が作曲してた事までは覚えてたんだけど、名前を思い出せずに調べつづける事約2日間(苦笑)。
 この東野氏、アーケード版(もしくはビデオゲーム版と呼ぶ)「グラディウス3」や「イーアール・カンフー」「沙羅曼蛇」などの今や伝説的となっているゲームの曲を手掛けたコナミサウンドの重鎮でもあります。
…MSX版の「魔城伝説」と聴いてピンとくる人はかなり通。
あと有名なとこでは「ときめきメモリアル」の作曲者のひとりでもありますね。
近年のビートマニアやDDR(ダンスダンスレヴォリューション)などでも判る通り、やはりコナミサウンドは独特の雰囲気とその技術力の高さで昔から定評がありました。
「悪魔城ドラキュラ」「ツインビー」「愛戦士ニコル」「夢大陸アドベンチャー」「ファルシオン」…(遠い目)。
ああ、またも脱線(笑)。
裏話をいっぱい書きたいんですが、趣旨が変わってくるんでまた別の機会にでも(もうじゅうぶん変わってきてる気もするが…)。
そんな「グラディウス」の曲ですが、その音源は未だよく判りません。
たぶん、コナミの特殊なPSG音源(同時発音数6音くらい?)が載っていたんじゃないのかなと思ってます。
コナミは独特の音源チップ作るの好きでしたからね、SCC音源(MSX用の音源チップ)とか。
個人的に好きな曲をレヴューしときましょう(苦笑)。

○1面 火山ステージ「Challenger 1985」
 やはり妙に健康的に聞こえるんですけど(笑)。シューティングゲームってこんな陽気で良いの?なんて思いましたが、「よし!やったるかっ!」って気持ちのほうが圧倒的に強いですね。

○3面 モアイステージ「Blank Mask」
 当時から沖縄の郷土民謡!といって譲らなかったこの曲。あの神秘的な4拍子と3拍子が交錯するリズムは言葉じゃ表現できません。
…自分で作った時の音が頭に残っていて、本物が上手く思い出せませんが(苦笑)。

○4面 逆火山ステージ「Free Flyer」
 とにかくダブルが必須だったようなステージでしたね。こんな明るい曲を口ずさみながらさくさくと敵弾をかわしていたかった…。

○7面(最終面) 要塞ゼロス・ステージ「Final Attack」
 初めてこの曲を聞いた人ならあの要塞内の状態を想像することは決して出来ないでしょう。…が、ゲームをプレイした人なら恐怖すら思えるあの敵弾の数!ってなもんです。リズミカルでキャッチー(?!)な楽曲がことさら小憎らしい。
…やばい、自機が爆発する音も鳴りまくりだわ、私の頭の中(しかも最初のほう)。

○ネームエントリー「Historic Soldier」
 跳ねあげるようなベースがシューティングゲームとは思えないPOPなエントリー曲を作り出しています。…むしろネームを入れるカーソル音のほうが哀愁がある気がする…。

…とまあ、ほとんど名曲と呼ばれる曲ばかりなんですが全体的な特徴は「明るい曲」が多いという事。 シューティングゲームとしてのイメージってもっと重くてリズムが速い恐怖感のある曲が多いと思いがちですよね?
現に1990年中期からはそのような特徴が前面に押し出されていった感があります。…またその歴史を作っていったのもコナミだったと私は思うのですが(苦笑)。
ともかく昔のシューティングは明るかった。
ゲーセンや喫茶店が不良と溜まり場と云われ、仄暗い店内のなかで陽気に流れるゲームミュージック。 そのコントラストがちょっとカワイイと思いませんか?
あ、それが狙いだったのかな?コナミさん(微笑)。

2002.03.30

おまけ アイカワラズキケンナカオリモシマスガMIDIを掲載シテオキマス。
1985年ノカヲリヲドウゾ。

GRADIUS「Free Flyer」
(Music Composed by 東野美紀 / MIDI Composed by PIH)
GRADIUS「Historic Soldier」
(Music Composed by 東野美紀 / MIDI Composed by PIH)

注意 もし著作権関係で問題がありましたら即デリ致しますので、誠に申し訳ありませんが御連絡をお願いします。